第10回アジア大会 選手感想 Part.1

第10回アジアテコンドー選手権大会
日 時 2024年8月19〜25日
開催国 インド・バンガロール

2024年8月にインドで開催された「第10回アジアテコンドー選手権大会」に出場した選手たちの大会感想を紹介します。

出場選手

オ ロスティスラブ
(O ROSTISLAV)
4段/東京・中野

出場種目

・男子個人トゥル4段
・男子個人マッソギ−58kg
・男子団体戦

川田 悠世
(KAWATA YUSEI
3段/東京・永福

出場種目

・男子個人トゥル3段

 

黄 将
(HWANG JANG)
2段/東京・国分寺

出場種目

・男子個人トゥル2段
・男子個人マッソギ−64kg
・男子団体戦

原添 聖也
(HARAZOE SEIYA)
2段/東京・中野

出場種目

・男子個人マッソギ−52kg

 

大島 実
(OSHIMA MAKOTO
2段/東京・中野

出場種目

・男子個人マッソギ−71kg
・男子団体戦 

西川 千尋
(NISHIKAWA CHIHIRO
2段/東京・梅島

出場種目

・男子団体戦

朴 勝 俊
(PARK SUNJUN
1段/東京・朝鮮大学

出場種目

・男子個人トゥル1段
・男子団体戦

板倉 広昴
(ITAKURA HIROTAKA
1段/東京・都立大学

出場種目

・男子団体戦

谷口 麻由香
(TANIGUCHI MAYUKA
2段/大阪・大阪

出場種目

・女子個人トゥル2段
・女子団体戦

淡路 さつき
(AWAJI SATSUKI
2段/神奈川・武蔵小杉

出場種目

・女子団体戦

大島 のの花
(OSHIMA NONOKA
1段/埼玉・宮原

出場種目

・女子個人マッソギ−57kg
・女子団体戦

鈴木 佑実
(SUZUKI YUUMI
1段/東京・梅島

出場種目

・女子個人トゥル1段
・女子個人マッソギ−52kg
・女子団体戦

尾関 心愛
(OZEKI KOKOA
1段/東京・国分寺

出場種目

・女子団体戦

 

宮崎 菜央
(MIYAZAKI NAO
1段/神奈川・尻手

出場種目

・女子団体戦

 

大会感想(インタビュー)

選手インタビュー(No1) 鈴木佑実 選手
はじめに、今回このような経験をして結果も残すことができたのは多くの人の支えがあったからだと思います。監督、コーチ、JAPANチームの仲間をはじめ、ここまで指導して下さった先生方、一緒に練習してきた道場の仲間、いつも応援して下さる道場のみなさん、アジア大会に挑戦させてくれた家族には本当に感謝しています。ありがとうございました。
 個人トゥルは国際大会初出場、個人マッソギと団体戦は初めての国際大会だった昨年の世界大会では一勝もできなかったので、どの種目も国際大会での初勝利でした。出場した4種目全てでメダルを獲得することができ嬉しく思います。また、トゥルもマッソギも準決勝まで導いてくれた団体メンバーには感謝しています。
 個人トゥルでは、初めは緊張してかたくなってしまいましたが試合を重ねていくうちにリラックスしてより良いトゥルができたと思います。準決勝では自信をもって自分らしいトゥルができてとても楽しかったし、朝鮮の選手に勝てたことは大きな経験になりました。決勝戦では負けてしまいましたが国際大会で自分のトゥルが認めてもらえたことは今後の自信に繋がりました。
 また、アジア大会に向けたこの期間は今までで一番マッソギのことを考えたと思います。自分の課題と向き合い、試合でそれを発揮できたこともあったので達成感がありました。個人戦では予選リーグを通過しメダルを獲得できましたが準決勝と団体戦では負けてしまい、まだまだだと思いました。特に団体戦で朝鮮の選手と試合をするチャンスをいただいたことは貴重な経験になりました。力の差を肌で感じ衝撃を受けるとともにもっと強くなりたいと思いました。
 アジア大会に向けたこの期間は多くの経験をして自分の成長を感じることができ忘れられない充実した時間になりました。今回感じたことや感謝の気持ちを忘れずに、もっと強くなった姿で国際大会にチャレンジできるようにこれからも努力します。
選手インタビュー(No2) 川田悠世選手
今回私自身としては5年ぶり、2回目の国際大会への参加となりました。
2019年、ブルガリアの世界大会で団体戦に出場してから、今度は国際大会の個人戦にチャレンジしたいという気持ちを持っていました。今回個人3段トゥルで出場するチャンスを頂き出場を決意しました。
23年間テコンドーを続けてきましたが、コートに立ったときには「やっと来た!」という思いとともに、血が滾るような感覚を覚えました。
思い切りぶつかっていきましたが、結果は残念ながら北朝鮮の選手相手に2回戦で敗退でした。しかし、内容は接戦だったため、これまで遠い存在に感じていた強豪・北朝鮮の選手がぐっと近くに感じる様になり、自信に繋がりました。
コロナ禍を経てこうした機会が久々であったこともあり、違う国々の関係者(運営、審判、スタッフ)が協力し、これだけの規模の大会を作っていくということは大変なことで、とても有り難いことだとひしひしと感じました。
また、海外の選手を間近で見て自分たちと比較することで、通用する点、課題も多く見つかりました。特にマッソギで活躍している選手ほど男女関係なく、ガッチリとしつつ引き締まった、フィジカルの強い身体を持っている傾向にあると感じました。
ただ、ポイントの取り方、使う技は勝っている選手ほど似通っていて、せっかくテコンドーには様々な技があるので、もっと色んなパターンの選手がいてもいいのにとも感じました。
今回の経験から見つけた課題を通じて、今後自分思う形をより体現できるように稽古を積み、指導にも活かしていきたいです。
最後になりましたが大会参加にあたって、サポートしてくださった日本選手団の皆様、長期の離脱にもかかわらず快く送り出してくださった職場の皆様、常に支えてくれた家族にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
選手インタビュー(No3) 宮崎菜央選手
今回のアジア大会は私にとって2回目の国際大会でした。
3歳からテコンドーを始め、国際大会に出場する事を目標に日々練習してきたのでとても貴重で素晴らしい経験をさせていただく事が出来ました。
団体トゥル、団体マッソギ どちらも3位という結果でした。
日本選手団は皆さん優しく接してくれてとにかく心強くて、とても居心地の良いチームでした。
試合直前、男子団体トゥルの初戦突破を見て、自分達も絶対に勝とう、自分達なら勝てるという気持ちになりモチベーションを高くもち試合に挑む事が出来ました。どの練習の時よりも、今までで1番のトゥルが出来たと思います。何回やっても上手くいかなかった速いバリエーションの部分も今までで1番と言い切れるくらい綺麗に決まり団体メンバーで積み重ねてきた練習の成果が出たと思います。今でも何回も動画を見返してしまう程最高のトゥルが出来たと思います。
団体マッソギは昨年の世界大会で勝てずに終わり悔しくてたまらなかった気持ちと同時にチームに貢献出来ず申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
今回は絶対に勝つと決めていたけれど試合の直前まで少し不安な気持ちがありました。自分の番まで仲間が繋げてくれたものを強い気持ちで受け取り勝つ事が出来て本当に嬉しかったです。
しかし、満足のいく試合が出来たかというと反省点ばかりでまだまだ自分に足りないものが多いと改めて感じました。次に繋げられるものばかりでこれからの自分の成長に必ず繋げられると思います。
個人戦でも活躍出来る選手になれるように、もっともっと強くなりこれから先の国際大会も目指して更に頑張ります。トゥル、マッソギ どちらも準決勝で負けてしまったのは悔しいですが全員で戦って勝ち取った3位という結果はとても嬉しいです。
最後に、大会に向けサポートして下さった監督をはじめとする日本選手団の皆さん、コーチ、トレーナーさん、蘇ピョンス師範、道場のメンバーにとても感謝をしています。本当にありがとうございました。
選手インタビュー(No4) 大島のの花選手
今大会は私にとって2度目の国際大会、アジア大会としては初めての出場でした。
また個人マッソギも初めての出場だったので、自分が海外選手相手にどこまで動けるのか楽しみでした。結果、個人マッソギで準優勝、団体トゥル・マッソギ共に第3位入賞でメダルを3つ取れたことは素直にとても嬉しいです。怪我で動けない期間もありましたが、その中でもできることを考えやってきたことが結果に繋がり自信になりました。
個人戦では自分がその日、日本選手団の中で最後の試合だったこともあり、仲間全員が応援してくださる状況での試合だったのですごく心強かったですし、励みになりました。練習していた技が決まった時は気持ちが良かったです。また、相手をよく見ていれば当たらない攻撃を無駄にもらってしまったり、横に動けずまっすぐ下がってしまったりと課題も見つかりました。課題を1つずつ克服できるよう今後も練習に励みたいと思います。
団体戦では2試合とも選んでもらったのにも関わらず、勝ち切ることができず悔しい思いをしました。1試合目から落ち着いて相手をよく見て正確にポイントを狙えるようにしなくてはならないと感じました。
個人戦と団体戦合わせて5人の選手と対戦でき、嬉しい思いや悔しい思いそれぞれの試合で違う収穫がたくさんありすごく良い経験になりました。この経験を成長に繋げていきたいと思います。
団体メンバーは昨年とほぼ同じメンバーでやりやすかったですし、年上のお姉さん方が配慮してくださったおかげでみんなが意見を出し合うことができどうすれば1番良くなるのか考えを共有しながら練習できたのが良かったと思います。トゥルもマッソギも全員が最後まで諦めることなく試合をやりきり勝って取った銅メダルは本当に嬉しいです。
今回も黄秀一師賢はじめ、コーチ、代表メンバー、その他役員の方々に様々な面でたくさん支えていただきました。本当に感謝しています。
これからも支えてくださっている周りの方々への感謝の気持ちを忘れずに精進したいと思います。
選手インタビュー(No5) 尾関心愛 選手
今大会で私にとって国際大会は2度目であり、今大会では団体戦の出場でした。
今回の女子団体のメンバーは私以外前回大会の変わらないメンバーで、あまり話した事のない選手もいたので、はじめは少し不安な気持ちがありました。
しかし、練習を通して前回大会ではこうしていたなど教えてくれたり、団体トゥルの練習ではみんなで改善点みつけ、私が苦手な動作やバリエーションの部分をアドバイスしてくれたり、メンバーにはとても感謝しています。そして試合の時もメンバーで合わせた細かい動作が揃っていて達成感がありました。それと共に準備していたつもりだった動作などに気を配り切れてなかったことを、最後悔しく感じました。
団体マッソギでは、ジュニア、シニアの選手関わらず、スピードもパワーがすごくあり、特に朝鮮の選手は同じような背丈でもフットワークが軽く、そして女子の選手でもパワーも戦略的な技術を持っていて、改めて自分が貪欲になりもっと練習に励むべきだと思いました。また、今後の練習の大きなモチベーションになりました。
そして、JAPANチームの応援をしてる時に正直何度も、自分も試合に出たい!と思う時がありました。次は自分自身もコートで海外の選手と戦えるように精進します。
また、今回の大会で他国の選手たちとの交流もありました。その中でジュニアの時に共に戦った選手とまたシニアで試合をし、試合後に言葉が違う中でも一緒に懐古し、話せた事がとても嬉しかったです。同じ目標を持つ友達が国を越えて、異なる環境、場所で頑張っているということが私にとってはまた一緒に試合したいとモチベーションアップになりました。
最後に今大会を通じてお世話になった監督、コーチ、トレーナー、JAPANチーム、関係者の皆さま、本当にありがとうございました。
そして、今後もより一層努力をし、常に向上心を持って頑張ります。
選手インタビュー(No6) 板倉広昴選手
今回のアジア大会は、私にとって初めての国際大会でした。
@チームメンバーは、私以外が昨年の世界大会と同じ顔ぶれで、そんな中で暖かく迎え入れてくれた彼らに心から感謝しています。私は「メンバーの中で一番上達してやる」という意志を持って練習に臨みました。経験や技術が未熟な自分が成長することが、チームの底上げに繋がると思ったからです。
練習では、今までできなかった技を練習し、試合で使うつもりでした。しかし、試合が始まると、練習で意識して出せた技が全く出せませんでした。頭では理解していても、無意識のうちに技が出るほどの練度ではなかったのです。
特に北朝鮮戦では、その練度の違いに大きな衝撃を受けました。彼らは、基本的な技であるトルリョチャギ、ヨッチャギ、パンチを中心に試合を展開していましたが、その技は国内で見慣れているものとは全く異なり、キレ、スピード、パワーの全てが一級品でした。これは膨大な量の蹴り込みによるものだと肌で感じ、自分自身の練習の量と質をさらに高める必要があると痛感しました。
とはいえ、良い成果もありました。インド戦では、ずっと練習してきたピハギで得点を取ることができました。この技は、無意識のうちに自然に出たものであり、練習の成果を感じる瞬間でした。これは今後技のレパートリーを広げる上で重要な成功体験となりました。
アジア大会を通して、テコンドーの技術だけでなく、練習に対する姿勢や考え方も大きく変わりました。今回感じた肌感を忘れぬよう、今後も練習を継続したいと思います。
最後に、この大会に参加するにあたり、支援と応援をしてくれた家族や道場の皆さん、そして研究室の皆さんに心から感謝しています。研究室の皆さん(特に新堀さん)には飲み会を断りまくったことをお詫びします。10日以上研究を中断することを快く許し、送り出しててくれた梶原先生にも感謝します。若干疎かになってた研究もこれから頑張ります。
今回の大会を通して、多くの方々に支えられていることを改めて感じました。
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